ヘルパーになる前はどんなお仕事をされていましたか?
障がい者の作業所施設で、10数年働いていました。障がいを持った方の身体であったりとか、精神であったり知的障害であったりの方が、社会復帰するための内職であったりとか、自主製品を作った物をバザーで売ったりとか…
ヘルパーになったきっかけは?
作業所施設で働いているスタッフさんは、ほとんどがヘルパー資格者でした。私は持ってないのに来てくださいって言われて。その後、事情があって辞めることになりまして。で、辞めたから何か他を考えようと思った時に「そう言えばヘルパーの資格持ってないと言われたな~、取りに行こうかな~」って思って取りにいったのがきっかけです。
最初はガイドヘルパーに興味がありました。ガイドヘルパーというのは、例えばいっしょに買い物に行ったり、映画見に行きたいから一緒に見に行ったりだ、旅行行きたいからついてきてとか、サポートしながら移動を共にする仕事です。
引きこもっている方たちを外に連れていきたいんです。一緒に行って楽しみたいんですね。当時は高齢者さんのヘルパーとして働くことは、まったく考えてなかったです(笑)。
「つなぐ(あずさケアステーションの前身)」に入られた経緯は?
ハローワークであったり、いろんな求人の情報誌とかを見て。何軒か、近くでと思ってたんです。で、1件ずつ事務所の周りを見ようと思って…。何軒か偵察した中で、いつも玄関を開けていて入りやすい雰囲気をしてるのが「つなぐ」だったんです。
他は扉が閉まってたりだとか、倉庫みたいなものであったりとかで、何かちょっと入りにくい雰囲気がすごくあったのが。ここが一番入りやすいかもしれないなと思って、面接を受けました。3人女性職員とお話したんですが、そのお1人が私のことを知ってくれていたんです。作業所施設で働いてた頃、車運転しているのを見かけたよとか…。そういうのでちょっと縁があったんで。
その3人の方は、すごい初心者の私に丁寧にいろいろと指導してくださって。私にとってはその3人がすごい先輩なので今でも尊敬している方です。最初1か月ぐらいずっと同行してもらえました。身体介護をまったくやったことがない時に、ず~っとついてきてもらってました。
時間帯である程度自由がきくような職場であれば、そんなにお給料とかは考えてなかったんですね。
いまは具体的にどんなシフト内容なんですか?
私は土日は休みをもらってて、平日も朝の9:30からできたら2時、という希望を出しています。
家が遠いので、子どもが学校へ出てからじゃないと出れないんで、早くて9:30じゃないと間に合わないので。学校からかえってくる時間に間に合わせようとしたら2時、まあ遅くても2:30ぐらいには終わらないとだめなので、っていう希望を出してます。希望はもう充分満たされています。
障がい者の作業所施設では終わる時間が遅かったので、実家に子どもを預けてとかみてもらっていました。まあまあ何とか、というかしんどかったなというのはありますけどね。
他の介護ステーションより自由度は高いので、小さい子とかいるお母さんにはありがたいお話しだと思いますね。
印象に残った利用者さんはいますか?
ターミナルの方です。癌の末期の方で、入退院繰り返して最後は自宅でと希望されてた方の担当、その方の身体介護をさせてもらって。すごい頑張ってはって、もうだめといって自宅に帰ってきてはって。けど、数ヶ月しか持たないと言われてたのが、2年ちょっと頑張っていました。
初めの段階から入らしてもらってた方だったので、その方が入院された時に行ったらあかんのやろうと思ったんですけど、一度病院にもお見舞いに行かせてもらいました。でも、覚えてくれてなかったです、その時もう、朦朧としてて。誰が来てくれたかもわからない状態だった時に。それがまた、元気になって帰ってきてくださったので、頑張ろうって。何かあったときにその人を思い出して頑張ろうと思ってます。
私が苦手とする身体介護を教えてくれたというか、経験をつませてもらいました。ある意味、私の先生です。
あずさケアステーションでのやりがいや喜びはありますか?
それはもう、利用者さんの「ありがとう」という言葉だけです。「ありがとう」と言ってくれるのが、一番です。
担当させてもらった方には、情っていうんですかね、身内みたいな。そういう気持ちのつながりが出てくるので、やめられないなと思います(笑)。
あずさケアステーションのどういう点が好きですか?
働きやすい職場であること。というか、好きすぎて仕事がなくても事務所にずっといました。
話しに行ったりとか、お弁当持ってきて一緒に食べさせてもらったりとか、すごい雰囲気がいいので、そういう職場のほうがいてて楽しい。
話も聞いてくれるし、ほんとに初心者だったので、話聞くことで勉強になることもあったり、「こういう時、こうしたらどう?」とか教えてもらったりするので。
月1回のヘルパー会議は時間的に出られないんですけど、同じ利用者さんに入っているヘルパーさんと「どうなん?こないやけどどう?」みたいな話ができるので。すごい経験を積んだ方もいらっしゃったり、年齢層も幅広いので。教えてもらうこともたくさんあります。
あと、やっぱり自由な時間帯で働かせてもらってることですね。
お子さんは玉井さんを見てどう思われていますか?
子どもたちはすごい理解してくれているので、ここにも兄弟ともに遊びに来させてもらったりしてます。
下の子は特に介護の仕事に興味があるみたいで。認知症サポーターが付けるオレンジのリングがあるのですが、「お母さんが持ってたやつがほしいから僕も勉強したい」って言うぐらいです。「いつあるの、その講習」ってずっと聞かれてるぐらい。
2人の子どもは、小さい時から私が障がい者の施設や介護の仕事をするのを見てきているので、その辺の理解はすごいしてくれていると思います。身体介護の勉強台になってくれるし(笑)。おむつ交換とかやらせて、とか言って…(笑)。
もしあずさケアステーションがなかったら、今どうされてると思いますか。
おそらく別の障がい者施設を探しているかもしれないです。
今はもう、あずさステーションの世界に浸っているので、辞めたら別のところのヘルパーになることは、まず考えられない。堺から遠くに引っ越ししたので、その地で働いたらいいやん、とみんなに言われるんですよ。ここに来るのに往復2時間かかるんですけど、それでもあずさステーションだから続けられています。
たぶん人間関係というか、みんなすごい好きなんで。他のところには行かない、行けない。
ここで育ててもらっているから。恩返しじゃないけど、「絶対やめない」というか。たまに辞めるとか言ったりしてるけど…(笑)。
「ヘルパーさんがもっと増えたら休ませてもらいたい」とか言ってるんですけど、でも辞めれないです。さっきも言いましたけど、利用者さんがいる限りは、自分が担当している利用者さんがいる限りは辞められないです。