介護の世界は長いと聞きましたが
ヘルパーはもう今年15年目です。
きっかけは、当時姑さんがいてて、友だちに「おばあちゃんの世話、どうせせなあかんから、ちょっと勉強しいよ」って強引に誘われて。で、資格が取れたんですが、もともと家事が好きじゃないですから(笑)。
家事が好きじゃないですけども、一応資格を取ったとなると、ちょっとずつでも使ってないと。いざ仕事したいと思っても、できないだろうなと思って。だから、おばあちゃんを見ながらちょっとずつ仕事を入れていました。
なんとなくヘルパーの仕事ってこういうもんやな、と分かったころに、おばあちゃん亡くなりまして。私が仕事できるのを待っててくれたみたいに。
ヘルパーのお仕事もずっと堺近辺でされてたんですね。
昔と今は仕事内容の違いはありますか?
基本は一緒ですよ。やっぱりお掃除が多かったですけれども、自分の家を掃除するよりは丁寧に、というのを心がけてます。で、今はそれが自分の健康を保つための運動の一つとして頑張ってますしね。
家事の中でも一番苦手なのは調理なんです。それでも子ども3人育ててきましたし、ほとんど外食なしで、してきたんで。まあ好きじゃないけどもそれなりですね。ただ食べる物というのはその人によってね、いろいろありますし、病気によってもね。
利用者さんの好みはいろいろありますもんね。
あんまり極端な調理というのはまだ経験ないんですけどね。それでも歳おめしになってても、濃いめのが好きな方もいらっしゃいますし、体に悪いとわかってても「ちょっと濃いめにして」という人もいますしね。まあほとんどの人は薄味でいけますけどね。あとは、柔らかさ硬さ。
たまに同居してない娘さんがちょっと食材買ってくれるとかね。毎日入ってどこかの曜日でヘルパーが買い物するという曜日がとれるとこは、それなりにいろいろ用意してくれはるけどね。そうでないところというのは、もう冷蔵庫開けてみないとわからないんで。そういうのはありますよね。
利用者さんで印象に残る方はいますか?
うん、いましたよ。あの、その方は糖尿と癌をもってはった。
女性の方で、車椅子に乗って生活してはったけども。私はその頃、お掃除で入ってたんです。
まあ最初に入って1回目で「ちゃんと掃除してる」と言ってくれはったんで、まあしばらく行ってましたけどね。まあでも、痛みなのか苦しっていう感じが耐えれなくなっていきますよね。
で、「もうあかんな、何のために生きてるんだろう」という話になりますやん。「それはたぶん私らを育てるため違います?」っていう感じでね。「ヘルパーを育てるためにいてくれてはるんと違うかな」という話はさせてもらって。「あんた、うまいこと言うな」っとか言ってね。
だからその人の経験した話もいろいろ聞いてね。
昔の話とかですか?
うん、お勤めしてた時の話とか、松下幸之助さんの話とかね。
うん、松下幸之助さんの来客にお茶を出して。だからそういう感じの人ばっかり集まるとこですよね、きっとね。その利用者さんは若い時からそういうことはできてたみたいですね。お茶の良し悪しもわかる人だったみたいです。だから行く度にいろんな話が出て、楽しかったですよ。
私らは資格を取るときに、人生の先輩からいろいろ教わって勉強になるという話はどこの教室でもしてもらえるけども、ほんとに実際にそういうことですね。そういう話聞けるというのが楽しいし、勉強になりますよね。
ほんとうに心の片隅ですけれども、残ってますもんね。この仕事はほんとに喜んでくれはるっていうのが、一番ですよ。ちょっとたくさん稼ぎたい若い人には、ちょっとつらい仕事かもしれませんけどね。
出勤の時間帯は自由に設定されていますか?
私は、幸か不幸か収入制限も設けてそんなに精一杯働くなくてもいいようにしているんで。だからそれなりにも選ぶこともあるし、時間帯とかね、結構ね、言いたいことも言ってます(笑)。
今はとにかく健康が一番気になって。金岡町とかけっこう歩いています。行きしなは自転車乗っていって帰りは歩くとかね。まあ1日30分以上は歩きたいと思ってるんだけどね。それが今一番重点をおいてるんかもしれん。いかにストレスを溜めないで、人に喜ばれる仕事をして、自分が健康になるか、そういうことですね。
ほんとにストレス溜めないようにだけ気をつけてますね。だから仕事だから一生懸命やりますけど、自分の家はもう片付けが何にもできなくて(笑)。だからそのストレスも溜めないように、ちょこちょこっとしたりね。
今のヘルパーのお仕事は、ご自分の生活とかストレスとかそういったバランスをとるためには、結構最適なお仕事ですかね。
と思いますね。だから今言ったように、出不精だったんで、ヘルパーしてなかったらほんとに閉じこもってただろうしね。もっとブクブク肥えて病気してると思いますわ。
だから仕事は一応月曜日から土曜日まで仕事何件かは入れて、だから保ってるんかなっとは思いますね。
あずさの雰囲気はいかがですか?
いいと思いますね。まあ、お母さんの明るさですよね。お話も上手やしね。明るさはね、全員に伝わってきますので。で、また入ってくるヘルパーさんも結構みんな明るい人がね。
おとなしい何もしゃべらないような人でも、ちょっと話しかけたら結構のってきてくれはったりね、みんな明るいね。ええことやわ。順調にヘルパーも増えてるもんね。なんかミーティングの度に知らん人がおるという感じやね。(笑)
今後もヘルパーの仕事を健康の一環としてやられていくつもりなんですね。
動ける限り、したいなあと。最低70才まではしたいなぁと。いま70才を超えてしてはる人も2人ほどいてはるからね。
だから基本私、掃除がでけへんようになったら、やめよかなぁと思ってます。どこの掃除に行ってもね、ほんとうは拭き掃除が一番してほしいやろなと思うんですよ。
掃除機はね、まあもちろん掃除機かけたら腰痛かったりするけどね、でも言ったらちょと座って回りだけでもできますやん、コロコロであったりね。でも拭き掃除というのはね、やっぱり元気でないとできないんです。
あずさに入って、期待してなかったけど以外と良かった点はあります?
やっぱりメンバーですよ。まあ私、人嫌いから始まっているから、どんな人がおるんだろうというね。だからほんとに、性格のいい明るい人が次々入ってきはった感じ。で、私も安心、「あー、私しゃべらんでもいけるって」。そのくせね、余分なことは話するんだけどね。(笑)
ヘルパーしててうれしいことはありますか?
やっぱり「いやー、来てくれてよかったわ、助かったわ」って言ってもらえることですね。
最初のほうは、思いのほかしてもらえたという喜びは聞けますしね。で、慣れてきたら「いや、あんたしゃべりやすいな」とかね。
私にしたら私がしている仕事が点数的にいいのか悪いのかを聞きたいんだけど、そこは聞けなくて。でも「話しやすいから」とか言うてくれはったら、そんでええんかな。っと。ただナァナァにならないように、仕事が丸くならないように、は気をつけてますけれどね。
ついつい時間忘れて、やってしまうんですよ。で、気ついたら「うぁ、あと10分しかない」となって、バァーッとやらなあかんようになる。なんか隅々一生懸命こうしてやってたらね。